Wiiは新しいゲーム機だと言っているけども,
半分はリモコンという新しい操作やチャンネルという新しい概念を取り入れたハードだが,
半分は任天堂が今まで描いていた理想をカタチにしたハードであり,既存のアイディアでもあった。
既存のアイディアとは,
ディスクライターやニンテンドウパワーで求めてきた,ゲームのダウンロード販売,
それに加えて,64DDで実現しようとしたファミコンソフトのダウンロード,
これらは「バーチャルコンソール」で実現した。
モバイルGBシステムなどで求めてきたオンライン対戦,これは「NintendoWi-Fiコネクション」で実現済みであり
モバイルGBシステム,サテラビュー,64DDでも求めてきた追加データの提供,
これは「WiiConnect24」で実現した。
任天堂が常に追い求めてきたオンラインビジネス,これらは時代を先取りしすぎた,と言われてきたが
ブロードバンド環境の普及,大容量フラッシュROMの低価格化など,技術革新と進歩によって
時代がそれに追いついた格好となったと言える。
これらは山内社長時代から受け継がれてきた思想を岩田社長が実現したとも言える。
私は,山内氏は先駆的,そして創造的なアイディアに長けた人物であり,
一方岩田氏は,それらを具現化する行動力に長けた人物だとみている。
2人ともそれぞれの長所を持った人間だが,
任天堂が今まで見てきた夢を現実のものとした今,
果たして岩田氏は,次の夢を見れるのだろうか。
岩田氏は,本当に任天堂がやりたかったことを非常にスマートに実現してきている。
そして,ゲーム人口の拡大のためにゲームをしなかった層を取り込むという
マーケティングに基づいた理論を展開し,それに適ったハードを作った。
環境は調った。
だが,娯楽は飽きられるもの。
山内氏も岩田氏もそう言う。
次に任天堂が飽きられないように何をするだろうか。
それどころか,Wiiに調えられたすばらしい環境を,本当に活かせる術を用意しているだろうか。
驚きはすぐに冷める。
新しい驚きを提供する次の夢を見れるかどうか
そこに命運がかかっている。