私が小学生か中学生当時,バーチャルボーイなるものが任天堂から発売されました。

ゴーグルのようなものを覗き込んで,左目と右目で微妙にずれた映像を表示し,

その差異によって立体視を作り出すゲーム機ということで,

ファミコンで発売された3Dメガネの進化版みたいなものです…って誰も分からない?


男の子は,誰かの家に遊びに行くと言えば,新しく買ったゲームが目的とかで

いわば,スネ夫くんとその友達,みたいな感じが一般的だと思うのですが

私の友人も例外ではなくゲームだけは全部買っていたウチにゲーム目的で遊びに来ていたのです。


そんな友人が,来るたびバーチャルボーイをやりたいと言い出す。

私は64とかの対戦ゲームがやりたい。だって,バーチャルボーイは一人用じゃないか。

おまけに周りからゲーム画面も見えない。

(当時通信ケーブルで対戦する構想もあったが,そんな構想はもちろん泡と消える。)

それでもバーチャルボーイはやりたい,それぐらい面白いハードらしい。


そんなに面白いハードがなぜ売れなかったのか。


その答えはDSを見れば分かる。

Wiiもそうだが,プレイしている様子が楽しそうに見えるのだ。

ボタンをぷちぷちしている従来のゲームと違って,ペン先やリモコンを動かして遊んでいる。

しかもその画面は周りの人間も見ることができる。そこが大事なのである。

私もやってみたい,と思うこと。


DSがなぜ売れたかを言いたいのではなく

バーチャルボーイがなぜ売れなかったのかを言いたい。

あれは,周りから見て,面白さが分からない。

残念ながら。

32ビットの性能をグラフィックにフルに使っていた他のゲーム機と見劣りしたことが

売れなかった要因とされたが,それもあったが,それは根本的な問題ではない。


つまり,周りから見て,何をやっているか分からないけど赤いゲーム機と

周りから見て,面白いかどうか分からないけど画面が綺麗なゲーム機を比べれば

前向きな要素は後者にしかないではないか。



コンテンツ商品は結局のところ投資的な商品だ。

面白いかどうかは本にしろ映画にしろゲームしろ,最後まで分からない。

だから「面白そうだ」と潜在的な顧客にアピールすることが何より重要なのだ。


その点をしっかり反省してDSやWiiを作った任天堂は,その成長を評価してよいと思います。